当社の半自動組立機は、生産状況をリアルタイムでモニターに表示できる独自仕様です。工場内に複数設置された大型モニターには、各ラインの進捗や稼働状態、不良の発生有無が常時表示され、現場の誰もが即座に状況を把握できます。これにより、トラブルや進捗遅延が発生した場合にも、管理者がすぐに駆けつけ、原因の特定と復旧が迅速に行えます。
従来のように作業員の報告を待たずとも現場の異常に気づけるため、ダウンタイムを最小限に抑え、納期遵守と品質維持に大きく貢献しています。また、この見える化は新人教育にも効果的で、作業者の意識向上や問題への自主対応力の強化にもつながっています。
当社では、半自動組立機から取得した生産データをリアルタイムで自動収集・蓄積し、稼働率・停止時間・不良率・作業時間などを項目別に数値化しています。蓄積データは社内システム上でグラフや一覧形式に変換され、誰もが視覚的に把握できる設計です。属人的な判断に頼らず、事実に基づいた課題発見が可能となるため、「なぜこの工程で不良が出るのか」「どの時間帯に負荷が集中するのか」といった分析を定量的に実施できます。さらに、日別・週別・月別といった期間比較や機種ごとの傾向把握も可能で、優先順位をつけた改善計画の立案にも貢献。
現場の経験値とデータ分析を組み合わせたハイブリッドな改善体制が、不良の再発防止や業務効率化の実現を支えています。こうした定量的な分析をもとに、現場と管理部門が一体となって改善に取り組める環境が整っていることが、当社の強みです。
当社では、単なる問題の修正に留まらず、「なぜその不良が起きたのか」「どうすれば再発しないのか」を突き詰める姿勢を徹底しています。現場で蓄積されたデータと、社員一人ひとりの現場感覚を融合させ、真因を深掘りする“現場主導型の改善活動”が日常的に行われています。たとえば、工程のレイアウト変更や、組立順の見直し、治具の微調整など、小さな改善が積み重ねられ、実際に不良率や作業時間の大幅な削減に繋がった例も多数あります。
また、社内に閉じず、関連会社ケーエスジーと連携し、設備自体の改良を行えることも大きな特徴です。問題の芽をつぶすだけでなく、仕組みそのものを進化させていく力が、春日井加工の品質力を支えています。